この前は、レビューはやめとこって云ったけど・・・
久しぶりに「
よかったよぉ~」って云いたくなる映画だったから、
やっぱ、アップしよっと!
ヨンのことばっかり見てたら、くたびれるし(笑)
悪人監督:李相日、原作:吉田修一、
音楽:久石譲、脚本:吉田修一 、李相日
キャスト:妻夫木聡(清水祐一)、深津絵里(馬込光代)、
岡田将生(大学生) 満島ひかり(石橋佳乃)
樹木希林(清水祐一の祖母)、柄本明(被害者の父)

「なぜ殺したか」「なぜ愛したか」「誰が本当の悪人なのか」とキャッチにあるけど、
誰が悪で善かなんて、そんなことよりも、誰もが内に抱える「孤独」が、胸に突き刺さる映画でした。
祐一と光代の愛情表現が不器用すぎて、せつな~~いです。
石橋佳乃という娘は、演じてる満島ひかりの素じゃないかと思うくらい、嫌な子です。
(満島ひかりがサラリと屈託なく「嫌な子」演じてるから「出会い系」という設定を違和感なく受け入れることができます。)
石橋佳乃は三瀬峠で祐一に殺されてしまうけど、それでも、祐一に同情して悲しくなるほど、嫌な娘。
この娘だって、寂しかったんだねと思うけど、同情は、、、、できまっせん!
殺されても良い人なんて、この世にいないけど・・・・
でも、その嫌な娘にも、当然、両親がいて、両親の哀しみ憤りは胸に迫るね。子を持つ親なら~
こんな嫌な娘でも、両親にとっては「かけがえのない大切な人」なの。
清水祐一は解体業に従事してて、大人しくて、車が好きな男の子。小さい時、母に置き去りにされて祖父母に育てられて・・なんて、私は珍しくないと思う。
若い男の子が、車と女に興味があるって普通だと思う。
でもね、両親に愛された記憶のない人は、他人への愛の表現がヘタ。不器用かもしれない。
明るくて屈託なのない笑顔が似合う妻夫木聡が、暗くてモッサリして不器用で、キレると何すっか判んない人を体当たり演技ね。新境地を開いたね。
妻夫木くんが悪人ツラしても、ちらっと可愛いくみえるから、余計に
清水祐一という青年がリアルだった。
ちょっと運が悪かった。。。タイミングが悪かった。それだけかもしれない。。殺人。
佳乃を三瀬峠に置き去りにした大学生は、何の罪にも問われないんですよね。
これから先もチャラチャラ粋がって生きてくんだ。でも、こいつも孤独地獄に落ちるわ。
んで!深津ちゃん! シンデレラエクスプレスに乗って恋人に会いに行ってた娘は、殺人犯と逃避行するまでになったんだ~。大好きな女優さんですよ。

深津絵里の演じる
馬込光代も、何処にでもいる真面目で大人しくて地味な子。
地味で何が悪い?と云いたいくらい、世の中、明るい人が求められるけど、ホントはね、光代みたいに地元の高校を出て、家と職場を往復するだけの毎日・・って、良くあるでしょ。普通でしょ。
平凡な毎日が退屈で孤独で、誰かに逢いたかっただけ。誰かと話をしたかっただけ。
祐一と光代の逃避行の先には、破滅しか見えないけど、あ・・ここで、「俺たちに明日は無い」とか思い出したけど・・違うね。日本映画のキメは細かい。
祐一は、祖母にとって、大切な「私が育てた子」。
殺人犯の祖母を取材しようと群がる記者たちにもみくちゃにされる姿を見たら、
なんで、真面目に生きてきただけなのに、こんなに虐げられる?と憤慨しますね。
その記者たちを一喝したバスに運転手、たったワンシーンなのに大きくジンワリと効いてきます。
祖母の樹木希林がいいですぅ~。なんで、あんなに巧いんだ!
短いセリフ、無表情。。それでも伝わる「愛」ですよ~
深津絵里、妻夫木聡、樹木希林の演技に感動したんです~とか、
さすが、久石譲!!、BGMがとても良かったです~とか、
月並みな感想しか云えないから、ここまで書いて、あ、やっぱ、止せばよかったと後悔・・
でも、ま、ここまで書いちゃたから~後悔しながら公開。(笑)

書いたついでに、
李相日監督さんのことも・・・

李相日監督、フラガールの監督さん。フラガールは色んな賞を総なめしたでしょ。
この監督さん、噂では、同じ場面を何回も撮りなおすことで有名なんだって・・
モントリオール映画祭で主演女優賞を受賞したとき、深津絵里が云った言葉。
「監督の最後まで妥協を許さない演出と、その思いに応え続けたスタッフの皆さん、共演者の妻夫木さんや皆さんで戦った証。みんなで勝ち取った賞だと思ってます」
映画を撮影した日々を「戦った」と云った深津ちゃん。
すっごく大変な思いをしたんだね~タシハンボン タシハンボン・・って、監督が繰り返すから。(笑)
李相日監督は、一回OKしても、何日か経って「やっぱり撮りなおす」なんてことも度々あるんだって。
タシハンボン・・・タシハンボン・・・って、納得できるまで妥協しないんだって。。
タシハンボン! 妥協しない。。。 誰かに似てるでしょ? ヌグジ?
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